社会保険労務士法人ぶれす

2024.04.12

【定額減税】6/1までにすべきこと

こんにちは。社会保険労務士の山下です。

 

今週やっと子供たちの春休みが終わって給食がスタート。ほっとしたのもつかの間、次に来るのは保護者会・PTA役員選出、引き取り訓練の波・・・新学期は何かと、学校行事も多いものです。

 

さて、最近「給与計算を委託したい」というお問い合わせが増えてきています。皆さん口々におっしゃるのはテレビや新聞で「定額減税」を知り、とてもじゃないけど自分では対応できない・・というものです。

 

定額減税とは・・・?

年収2000万円以下の人は、一人につき所得税から3万円、住民税を1万円控除します

という制度です。

 

住民税は基本的に市区町村で計算した結果が送られて来ますので、今回は「所得税」に焦点をあてて説明します。

 

給与明細書のイラスト

今回の減税は、国内の物価上昇による負担軽減が目的ですので、「国内居住者」に限られます。

また、会社に「扶養控除等申告書」を提出した人だけが対象になりますので、副業扱いの方など所得税の「乙」区分の方は対象になりません(本業の方で減税になります)。

 

 

6月以降、通常通り給与計算をして所得税を計算し、3万円になるまでは所得税を控除することになります。その分 給与の手取りが多くなる、というわけです。

所得税3万円というと、ざっくり月収60万円相当に対する所得税になるため、多くの従業員さんが6月だけでは控除しきれず、7月・8月・9月・・と繰り越します。夏の賞与がある会社さんだと、賞与からも控除することになるでしょう。

 

さらに、所得税法上の被扶養者がいる場合は、被扶養者1人につき3万円の所得税控除がプラスされます。

お子さん2人と配偶者を扶養しているケースでは

本人 3万円 + 配偶者3万円 + お子さん6万円(3万円×2)= 12万円

が定額減税の減税額(所得税)になります。

 

 

では、次に実際にするべき対応についてみていきます。

①誰が、いくらの控除枠を持っているかの把握

②誰に、あといくらの控除枠が残っているかの記録

 

まず

①誰が、いくらの控除枠をもっているか。

これは年末調整のとき(もしくは入社のとき)従業員さんに書いていただいた「扶養控除等申告書」の扶養の欄を参考にします。

 

ただし・・・・ ややこしいのはこの「扶養控除等申告書」では、把握しきれない定額減税対象の被扶養者がいます。

それは

 

〇年収1000万円超の方の被扶養配偶者

 年収1000万円超の被扶養配偶者は、通常 配偶者控除の対象とならないため、年調のときに集めた申告書には書いていませんので、別途「定額減税のための申告書」を出していただく必要があります。

〇16歳未満のお子さん

 「どうせ年少の扶養控除がないから書かなくていいかな?」と 年調のとき申告書に書いてこない従業員さんも中にはいらっしゃいますので、念のため確認しがほうがよさそうです。

 

また、定額減税の被扶養者となるのは「年収103万円以下」の収入に限られますので、年調のときの時点で書いてきた「見込み年収」に変更がないか?を確認する必要があるでしょう。

 

 

 

次に

②誰に、あといくらの控除枠が残っているかの記録

です。

国税庁のホームページ 様式・記載例|国税庁 (nta.go.jp)には、「各人別控除事績簿」のフォーマットが用意されています。

必ずしもこの様式を使わなければならないというわけではなく、Excelだったり、給与システムによっては事前に被扶養者数等の情報を入れておけば自動計算してくれるものもあるので、活用するといいでしょう。

 

税務署のイラスト(確定申告)

以上ご紹介の「定額減税」は6月支払の給与から始まりますので、おそくとも5月中旬までには従業員さんに確認しておきたいものです。

 

1.年末年始に出していただいた「令和6年扶養控除等申告書」には正確に被扶養者の情報が書かれていますか? 見込み年収等の変更はありませんか?

2.年収1000万円超の方、年収103万円以下の被扶養配偶者はいらっしゃいませんか?

 

今回、なるべく簡潔に説明するために、

・6/2 以降に入社した人は?

・給与以外に収入がある場合は?

・配偶者の年収見込みが6/2以降に変わった場合は?

などのケースには触れませんでした。

 

もっとよく知りたい!という場合は、ぜひ顧問税理士さんにも尋ねてみてください。

また、国・地方共通相談チャットボットはご存知でしょうか?

国・地方共通相談チャットボットのマスコットキャラクター”がぼたん”が正面を向いて立っている様子。

↑定額減税の基本的な質問でしたら「がぼたん」が、答えてくれます。従業員さんに詳細を聞かれた場合は、こちらのチャットbotをご紹介するのもお勧めです。

 


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