職員の村田です。
そろそろ春ですね。
新年度に向けての採用が終わり、毎年この時期は求人数が少し落ち着いている印象です。
パート求人では、家庭の都合などで“扶養内”勤務希望の方も少なくありません。
この扶養内が何の扶養か(税なのか、社会保険なのか)、応募者自身があいまいなことも。
先日、パートのコマ数増やさないかと打診されたという私の家族から、
『扶養内って年103万までにすればいいんだっけ?』と聞かれました。
税金など気にするとそうなりますが、
一番大きいのが社会保険の扶養(130万の壁※)ではないかと個人的に感じています。
ここを超えると、国民健康保険料と国民年金保険料が発生して手取りが大きく変化します。
※パート先が100名超企業の場合はまた異なる
【扶養小話】
ここでの例は日本で多いパターンで、
パート勤務を妻・花子、その妻を扶養しているのが夫・太郎とします。
花子は6月に正社員を退職し、7月からパート勤務(月10万円)を始めました。
花子は今年のうちの半年間は賞与もありバリバリ働いていましたが、社会保険の扶養は未来の収入がどうかなので、
収入減少により7/1付で太郎の扶養になることができます。
審査を受け、晴れて扶養となった花子。
太郎の会社の健康保険証を無事手にし、
国民年金第3号として国民年金の支払いもありません。
太郎は大手企業に勤務していて独自の健康保険組合に加入しています。
加入後の審査も厳しく、絶対に3ヶ月平均108,888円超えないこと。
さらに扶養して最初の3ヶ月間や、2年に一度パートの給与明細チェックもあります。
課税証明書も提出するのに?と思われますが、課税額だけでは通勤費の支給が見えてきません。
130万の壁にはこの通勤費も含まれます。給与明細提出はそこをチェックするためなのです。
花子は応募時に注意していたので、月平均10万円ピッタリ、年間支給額は120万でした。
しかし太郎の会社は福利厚生として家族手当(月2万)がありました。
その家族手当の支給範囲が年103万以内※と決められていたため、
社会保険の被扶養者にはなれたものの、家族手当支給対象外となってしまいました。
※家族手当の支給範囲に制限を設けている場合、金額を103万や130万などに設定している企業が多い(人事院の民間給与の実態より)
早く言ってよ…となる、花子でした。(おわり)
扶養の範囲内での勤務を希望する場合、
自分は年103万範囲内なのか年130万の範囲内なのか、
応募者ご自身で把握しておくことが大切です。
採用する事業主様には直接的な問題ではないですが、
急に予定より勤務時間数減らしたいなどと言われてしまうと、
人員配置等に問題が生じてしまうので、扶養の壁の存在を意識していて損はないかと思います。
個人的にはこのあと、花子さんが本領発揮し、
扶養を抜けて正社員へステップアップするようなストーリーが好きです。
私自身も損得だけでなく、働くことには常に前向きでありたいと思っています!
採用の場が労使共に良い出会いとなるよう、求人のこともお気軽にご相談ください。
社会保険労務士法人ぶれすは、経験豊富な社労士が「働きやすい会社づくり」を全力でお手伝いいたします。
お気軽にご相談ください。