社会保険労務士法人ぶれす

2023.02.24

休日には2種類ある?!

2023年4月1日から、月60時間超の割増率が「50%」に

社会保険労務士の山下です。

労働時間の原則は、「1日8時間、1週間40時間」。
これを超える労働時間に関しては、36協定を適切に締結・届出することに加え、「25%」の時間外割増手当を支給することが必要です。
2023年4月からは、月60時間超の時間外労働があった場合、60時間を超えた時間からは「50%」の割増手当を支給することが必要になります。

大企業では、2010年から既に適用されており、今回 中小企業でも適用が始まるというわけです。


「残業は1日2時間程度だし、月22日毎日残業していたとしても44時間だから60時間に行くことはなさそう。休日出勤分は60時間に含まれませんよね?」
というようなご質問をいただくことがあります。


休日に働いた場合でも「休日出勤」にならない?!

休日には「法定休日」と、「所定休日」の2種類があります。

労働基準法では「週に最低1日は休日を与えること」と定められており、この「週に1度の休日」が「法定休日」です。
それ以外の休日は、会社と労働者の取り決めで休日とした日=「所定休日」ということになります。

週休2日の場合どちらが法定休日かというと、就業規則で「法定休日は〇曜日とする」と定めがある場合はその曜日が法定休日。その他の休日は所定休日となります。

就業規則で特段の定めがない場合は、日曜日起算で「週の後半にある休日」が法定休日とされます。
たとえば土日休みの会社の場合、土曜日が法定休日、日曜日が所定休日です。

法定休日に出勤した場合は法律上の休日出勤となり、35%の割増率で休日出勤手当が必要になりますが、

ややこしいことに、「所定休日」に出勤した場合は、法律上「休日出勤」とは呼びません。
「残業時間」としてカウントします。

さきほどの例で、「1日2時間、22日残業」の上、月に3度の所定休日出勤をした場合を考えてみます。



土日が休日で、就業規則に法定休日の定めがない場合、
この月は平日22日出勤日があり、さらに繁忙月であり、日曜日3回休日出勤したとします。

平日の残業時間だけだと44時間ですが、日曜日(所定休日)出勤を入れると、24時間プラスされ、
月68時間の残業時間ということになり、60時間を超えた部分は50%の割増手当が必要になります。


もちろん、50%の割増手当を支払えばいくらでも残業が可能というわけではありません。
月45時間を超える残業は36協定の「特別条項」を結んだ上で1か月の上限時間を決めることが必要ですし、
年に6回までに限られます。



御社の「法定休日」は何曜日でしょうか?
休日出勤については残業代の計算だけでなく労働時間管理を考える上でも大切な観点です。
この機会に一度、就業規則の「休日の定め」を確認してみてはいかがでしょうか。


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