社労士の村田です。
年末に夫の福利厚生でチケット割引券があり、某夢の国へ家族で出かけたのですが、割引券の対象は健康保険の扶養家族のみのため、私だけ一人定価となりなんだか損した気分になりました。
(夢の国で扶養について考え、現実的な時間を過ごすという贅沢な瞬間…!)
扶養内勤務のメリットを今一度
扶養内勤務のメリットを従業員(配偶者あり)目線で考えると
・健康保険は、配偶者の扶養家族として保険料の支払いがない
・国民年金は、国民年金第3号となり年金の支払いがない
・配偶者の福利厚生の恩恵を受けることができる
・週3日5時間勤務などワークライフ(ライフワーク)バランスがいい
などでしょうか。
求人でも家庭と両立したい方は扶養内勤務にしぼって検索かけるので、そのような求人もまだまだ需要ありますね。
事業主様目線ですと、社会保険の負担がない。というのもかなり大きな部分でもあります。
社会保険加入はデメリットではない
社会保険加入がマイナスイメージなのも、保険料の控除面ばかりが目立つため。
本来の社会保険の恩恵である給付面にも注目したいと思います。
【社会保険物語~加入、本当はありがたい~】
結婚してから正社員を退職した花子さん。
花子さんの年上の夫の太郎さん年俸制の年収1000万円、毎月の給与は約83万です。(標準報酬月額830千円)
花子さんは退職後に求人票を見て
『月18万の短時間正社員(社会保険・雇用保険加入)と月8万の扶養内勤務アルバイトどちらにしようかな…夫の収入も安定しているし、やっぱり扶養内がおトクだって聞くから扶養内アルバイトにしよう!』
結婚してからしばらく月8万程度の扶養内勤務でアルバイトをしましたが妊娠し、半年の更新前に期間満了で退職。
その後順調に妊娠経過していましたが、ある日切迫早産で2ヵ月弱入院することになりました。
急な入院、限度額適用認定証発行が間に合わない!
でもマイナ保険証だとここも省略できるため、月の上限までの支払いで安心。その後無事退院となりました。
退院前の精算で『あれ?限度額適用されてます…?やっぱりマイナ保険証って使えなくない?』
そう、あまり意識していないですが、扶養家族である花子さんの負担額の限度額は太郎さんの標準報酬月額が基準になるのです。
太郎さんは標準報酬月額830千円、所得区分アのため、毎月の自己負担額上限が25万超えの金額となり、
2ヵ月弱の切迫早産の入院でも月別では2ヵ月間に渡って入院していたため、限度額あっても結構な負担に…。
※協会けんぽの70歳未満の方の自己負担限度額はこちらです。
今回のケースで月18万で社会保険に加入し切迫早産の入院を経て出産を迎えていたら…
・限度額の区分が花子さん自身の区分エなので月の保険診療の負担上限が57,600円
・出産前後の休業時に出産手当金が支給される
・切迫早産で入院の際に傷病手当金が支給される
社会保険の給付の恩恵かなりありますね。
花子さんの心の声『扶養内のアルバイト、おトクだったのかな~』
職種や営業形態によっては扶養内勤務×3人より1人がフルタイムで働く方が職場とマッチしていることもありますし(逆もしかり)、
優秀だから評価したいけど、扶養外れてしまうから給与で評価できないというジレンマもありますね。
社会保険加入のマイナスイメージが少しでもなくなり、
全ての人が扶養の有無でなく、単純に望んだ勤務時間や職種で就労できるようになると、
もっと働き方(雇い方)の選択肢が増えるのにな…と思います。
在籍の扶養内勤務から社会保険加入させたい、従業員様をアルバイトから正社員へ転換したいなどのご相談も受け付けております。
社会保険労務士法人ぶれすは、経験豊富な社労士が「働きやすい会社づくり」を全力でお手伝いいたします。