社会保険労務士法人ぶれす

2023.10.20

社員の離職について考える

社労士の村田です。
毎朝、子どもの登園時に入口のIDカードをかざすと勤怠管理を思い出し、『カードかざしたここからが在園時間扱いかな~…』とか、
先生の早上がりを見かけると『先生今日早番のシフトなのかな~』とか思ってしまいます。
もし動物病院で働いていたら、動物園で『あ、あのミーアキャット、皮膚疾患あり』など職業目線でみてしまうタイプなのかもしれません。

離職する人の理由は何が多いのだろうか

終身雇用という言葉が今は昔…多くの人に転職経験がありますね。
離職者が多いと、手続きや採用の時間も必要ですし、
新しく入社される方に教える作業を繰り返すうちに、今いる先輩社員が疲れてしまうことも。
長く働いてもらうことで仕事がスムーズになることも多いと思いますし、離職は少ないが理想です。

もし離職者が多いと気になっている場合は、転職・離職に関する調査をみてみると、ヒントになるかもしれません。
令和2年の雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)という調査の中身ご紹介します。

この調査の中で、自己都合退職において前職の離職理由の記載があります。
全体では『労働条件(賃金以外)がよくなかったから』(28.2%)が最多となっています。
男女別に見ると、
男性では『満足のいく仕事内容でなかったから』(28.4%)が最多で、
女性では『労働条件(賃金以外)がよくなかったから』(28.1%)が最多となっています。
賃金や仕事そのものについての不満や将来への不安など、前回の平成27年時と同様な顔ぶれが並ぶ中で、
『人間関係がうまくいかなかったから』に注目してみました。
男女別では女性の2位(25.4%)となっており、
年代別では20~24歳の退職理由で最多(38.4%)でした。
前回の平成27年(17.7%)よりもポイントが高いので、人間関係の良さなど働きやすさを求める人が増えているような印象です。

全体はこちらです。
※厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況🔗

ちなみに転職活動は『ハローワーク』よりも『求人サイト・情報誌・新聞・チラシ』の方が多く、
転職活動を始めてから離職までが1か月以上3ヶ月未満が28.8%で一番多くなっています。
(企業側の利用はハローワークが最多でした。)

 


 

人間関係の大切さ

仕事をするうえで、人間関係の良好さは仕事を進める上でもすごく大切で、
特に社会人歴の浅い方ですと、先輩の一言にショックを受け退職を後押し…なども容易に考えられます。
仕事内容や賃金に不満がないのに、これで退職になるというのは労使共にもったいないなと思います。
ここの改善って賃金や休暇などと異なり、分かりやすくもなく簡単ではないですが、
ちょっとしたトラブルを放置しないことで、じょじょに働きやすい環境になっていくのではないでしょうか。

調査結果をもとに、人間関係がよくないがために退職するイメージは

<ミスをしてしまった日>
先輩さん『こんなことも分からないの?社会人としての常識でしょ!ネチネチ』
新人さん『申し訳ございません…(怖くてもう二度と聞けない、辞めたい)』
※若い年齢層で人間関係が退職理由として多い

<休憩中>
先輩さん『…(あの子休憩中、スマホばっかり見てるわね)』
新人さん『…(転職サイトチェックチェック~)』
※転職は求人サイトが主

<1ヵ月後>
新人さん『来月末で退職します。』
先輩さん『…!(また新しい人に教えなきゃいけないのか!)』
※転職活動開始は退職の1か月以上3ヶ月未満が最多

そして採用、最初に戻る

というような状況でしょうか…割とありそうですね。
この負のループは避けたいですね。

教育面を先輩社員にお任せしていると、知らない間にこのループに陥っているかもしれません。
人間関係の問題点は個別に聞き取ってみないと分からないことも多く、向き合うにも業務が繁忙で…という事業主様も少なくないと思います。

当事務所では従業員面談なども行っておりますので、離職が多いなどのお悩みがありましたらお気軽にお問い合わせください。

 


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