社労士の村田です。
寒い日が続きますね。
子の星の観察の宿題で、冬の空を観察したのですが、オリオン座はいつの時代も観測しやすいと再確認しました。
シリウス、プロキオン、べテルギウスの冬の大三角は家の裏の公園では隠れてしまい見えず、晴れた日は洗濯を干しながら夜中にベランダで1人眺めています。
先週の山下先生のブログからバトンを受け取り、2025年4月から順次改正される育児介護休業法についてお伝えします。
今年は改正部分が多いため、介護についてもいろいろ思うことがありますが、今回は育児かつ育児の中でも【育児中の働き方】の部分に絞って説明します。
2025年4月からの改正
1.子の看護休暇の拡大〜対象年齢、取得理由が広がる〜
①対象年齢の拡大
これまでは小学校入学前までの子どもが対象でしたが、改正後は小学校3年生までに拡大されます。
②取得理由の拡大
今までは病気や予防接種などが子の看護休暇の対象でしたが、卒園式や入学式、学級閉鎖なども取得理由として認められるようになります。
これに伴い【子の看護休暇→子の看護等休暇】に名称変更となります。
③労使協定による除外対象の変更
現在、労使協定にて入社6か月未満の労働者と週2日以下の労働者は子の看護休暇の取得対象から除外することができました。
今回の改正では、入社6か月未満の部分は撤廃されます。
改正前後のイメージは下記となります。
改正前『保育園の子どもが熱を出したため、明日は子の看護休暇を利用してお休みします。』
改正後『入社したばかり(6か月未満も可!)ですが、4/7は子の看護等休暇(名称変更!)を使用して、小学生になる子ども(小3まで拡大!)の入学式(取得理由の多様化!)に参加します。』
※子の看護等休暇取得時のお休み分については、有給である必要はありません。
2.所定外労働時間の制限(残業の免除)〜対象年齢、広がる〜
①対象年齢広がる
今までは3歳未満の子どもを持つ労働者が残業免除の対象でしたが、小学校入学前まで対象が広がります。
※労使協定の除外対象は引き続き入社1年未満の労働者と週2日以下の労働者のままです。
改正前後のイメージは下記となります。
改正前『核家族で祖父母に頼れず、育児休業から復帰したばかりで両立に慣れるまでは残業免除したいです。』
改正後『子も年少(小学校入学前まで拡大!)となり、妻も最近働く時間が伸びたので、残業せずに育児分担したいです。』
2025年10月からの改正
柔軟な働き方〜新たな制度の導入〜
法律上今までも短時間勤務など3歳までの育児期間は柔軟な対応をしていましたが、3歳以降小学校入学までの育児期間については柔軟さはありませんでした。
それにより急に3歳という区切りで梯子を外すような働き方でなく、小学校に上がる前までは柔軟な働き方に対応できるように今回改正が行われました。
3歳以上の小学校就学前の子どもを持つ労働者に対して、事業主は、短時間勤務の継続、始業時刻等の変更、テレワーク等、新たな休暇の設定、保育施設の設置等から、2つ以上の措置を講じなくてはなりません。
選択肢のうち短時間勤務については、3歳以降小学校入学まで引き続き継続するというもので、それ以外の選択肢は働き方を柔軟にすることでフルタイム勤務を行うというものです。
会社は、上記の中から2つ措置を講じ、従業員はその中から3歳前に面談をし柔軟な働き方を選びます。
改正前後のイメージは下記です。
改正前
育休中の早迎えママ『最近保育園のお迎えで会わないですね。』
子が3歳になったママ「ほら下の子が3歳なったからフルタイムになってね。」
改正後
育休中の早迎えママ『お迎え時間は変わらずですか?』
子が3歳になったママ「小学校上がるまで(短時間勤務の延長!)は時短にしたの。」
※短時間勤務制度を小学校入学までとする場合と、始業時間の変更を設け、短時間勤務の継続を選択した場合
まとめ:今回改正部分で育児期間中の働き方を総合すると…
2歳の子を持つ夫婦の場合(妻:短時間勤務中、夫:フルタイム)
妻『3歳になったら、フルタイムで働きたいのだけれど…
私の会社は本来8:30-17:30の勤務だけどいくつかのパターンのうち9:00-18:00の勤務時間が選べる(始業時間等の変更!)みたい。
引き続き私が朝の登園はさせるけれどお迎えの方お願いできるかしら。』
夫「分かった。それなら、しばらく残業免除(対象拡大!)をして、お迎えは僕が行くようにするね。力を合わせて頑張ろう。」
と言った形で、時短終了とともにパートにしよう、退職しようということを減らし、柔軟な働き方をして両立を目指す。というイメージになります。
制度もですが、ご家族間で話し合い、家庭ごとのベストバランスを模索する努力は必要不可欠ですね。
家族はチーム。チーム一丸となって両立を頑張りましょう!
星を眺めながら、今見ている星の輝きは遥か昔に星から放たれた光の到達だと思うと、宇宙を感じて不思議な気持ちになります。
そして、シリウスのように子どもの未来が明るいものであるようにと心から思うのでした。
(夜干しそろそろやめたいのですが、チーム間で両立できていない我が家です…笑)
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