社労士の山下です。
年末が近づくと毎年、退職のご相談が増えてきます。新しい年は心機一転、新しい職場でのスタートを、と考える人が多い時期なのかもしれません。
ここ数年、切に実感するのは「退職の意思表示から退職までの期間が短い」ということです。退職代行を使う人も増えていますし、いくら就業規則や社内ルールで「3か月前」とか「1か月前」と定めていても、(正社員など無期契約者に関して言えば、ですが)労働者側からの退職にそのような「3か月前に申し出ないと退職できない」といった法的な拘束力はありません。
しかし実際問題、従業員の少ない会社で「3週間後に辞めます。明日から有給消化します」という従業員さんが出てきた場合、人員の補充も引継ぎも間に合いませんし、残った従業員さんの負担が大きくなり、また一人退職希望者が・・・といったループにはまってしまうケースも少なくありません。
「そんなに急に言ってくるなんて非常識」「まわりのことを考えていない」というお気持ちも、わかります。ただ、そうは言っていても、時代も環境も、働く人の意識も、変わってきています。「退職したい」と思われない職場環境を作ることがもちろん大切ですが、すべてを防ぐことはできません。 少なくとも、もっと早く退職の意思を伝えてくれたら・・・と思ったことはないでしょうか。
また、来年4月には雇用保険の改正も決まっています。
〇令和7年4月から、失業等給付の給付制限が2か月→1か月へ〇
これまでいわゆる「失業保険」は、自己都合の退職(転職)の場合、2か月間の給付制限期間を経過しないと給付は受け取れませんでしたが、4月以降はこれが「1か月」になります。1か月なら、すぐ辞めても失業給付を受けながら転職活動ができる・・・と、考える方もいるかもしません。(※ただし、5年間で3回以上の自己都合離職の場合には給付制限は3ヶ月となります。)
では、退職を早めに言ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
1.普段から定期的な面談の機会を設けて、話しやすい環境を作る
「早めに転職することを言いたかったけれど、上司がいつも忙しそうだし言い出すタイミングがなかった」といった話はよく聞きます。
毎月第〇週の何曜日は〇〇さんとの面談、など定期的にお話する時間を設けておけば、業務で困っていることや、退職に関することも言い出しやすいのではないでしょうか。もしかしたら、退職そのものも、思いとどまってくれるきっかけになるかもしれません。
2.特別退職金制度を作る
人材の確保が難しい職種は特に、新しい従業員さんの採用・引継ぎに1か月では全く足りない、といった場合が多いと思います。そんなときにただ「3か月前には申し出ること」とルールを作ったところで、それを守ってくれるかどうかは従業員さんの良心に委ねることになります。
それなら「退職の申し出を早くしてくれた人には特別退職金を出す」というルールを作ってみてはいかがでしょうか。たとえば「退職の6か月前までに申し出た場合は基本給2か月分、3か月前までに申し出た場合は基本給1か月分の特別退職金を支給する」などです。
(もちろん、勤続年数〇年以上、直近の欠勤が〇日以内、など条件を付けることは必須です。)
高度な技術力が必要なIT職や、代替人員が見つかりにくい歯科衛生士さんなど、このような特別退職金制度を設けるケースが増えてきています。
早いもので、今年も残すところ3週間。皆さんは「今年1年がんばった自分へのご褒美」みたいなもの、毎年されていますか?
私はとくに毎年はしていないのですが、今年は欲しいものがあります!
それはVRゴーグル。ゲームがしたい・・・というよりも、疑似海外旅行や、「VRゴーグルを使ったリモートワーク」を試してみたいです。
VRゴーグルをすることで、目の前に画面を3つ4つ並べて出すことも可能で、物理的なモニターが不要になる未来もそう遠くないのかもしれません。
イメージ↓ すごくないですか?これ。
Work Faster in VR/AR than in real life
暗いニュースが多い最近ですが、こういう日々進化(深化)する技術に触れると、「まだまだ捨てたものじゃない」と未来への希望が沸々と湧いてきます。
新入社員への研修など、いろいろな業種でもVRは使えるのではないか?とワクワクは止まりません。実際に購入したら、またいつかこちらでレビューさせていただきます!
社会保険労務士法人ぶれすは、経験豊富な社労士が「働きやすい会社づくり」を全力でお手伝いいたします。