社会保険労務士法人ぶれす

2024.06.21

社会保険適用拡大!どこまで続く?

こんにちは!特定社会保険労務士の延島です。

気持ちのよい季節が終わり、蒸し暑くなってきました☔
社労士事務所は繁忙期の真っ最中、健康に気をつけて乗り切りましょう!

さて、先日、「厚生年金、適用拡大へ 企業規模の条件撤廃 政府方針」という報道があり、さっそくぶれすのお客様からもお問合せがありましたので、どんなことが検討されているのか、大まかにまとめてみました。

会社で働く人は社会保険(健康保険・厚生年金)に加入します。
アルバイトで勤務する方の場合も、フルタイムの方の4分の3以上の働く方は社会保険に加入することが義務付けられています。
正社員が一般的に週40時間勤務しますので、おおむね週30時間以上働く方、とイメージしていただければと思います。

社会保険適用拡大は、加入対象を週20時間以上(月額8.8万円以上)に拡大するもので、2016年から500名以上の大企業、2022年10月から従業員数101人~500人の企業等で働くアルバイト等の方が対象となりました。
そして、今年の10月からは、51人以上の企業等で働く対象となり、多くの方が社会保険に加入することになります。

社会保険に加入することは、将来の年金を増やしたり健康保険の手厚い補償があったりとメリットもありますが、保険料負担が本人と事業所に発生します。

例えば、東京都の企業で時給1200円で週20時間、1ヶ月で約80時間働く40歳未満の方の場合、
月の収入が96,000円(時給1200円×月80時間)では、手取りが次のように変わります。

なんと手取りが13,000円も減ってしまいます。

そのため、今年の10月に向けて就業時間を増やしたり、従業員の方への説明など、社会保険加入に向けて、ぶれすの顧問先でも準備が進んでいます。

さらに社会保険の適用拡大は止まりません。

いま4つのポイントについて検討が進んでいます。

1️⃣51人以上の撤廃
週20時間以上の方、全事業所で社会保険加入。
10月から51人以上ですが、これを撤廃して、すべての法人事業所で週20時間以上の方は社会保険に加入しよう、というものです。
週10時間以上!という議論も出ています!?

2️⃣個人経営の職場でも社会保険に加入
個人経営の職場では、5名未満の事業所は社会保険が適用されません。
また、飲食業や農業など一部の業種は人数に関係なく、個人経営の場合は社会保険は任意加入、そのほかの法定17業種は5人以上の場合に強制加入となっていました。

すべて撤廃し下の図のオレンジ色の「任意包括的用」事業と人数要件を撤廃して強制加入の検討を進めています。

3️⃣ダブルワークの社会保険適用
全ての職場で週20時間以上の方が社会保険加入となった場合、2か所で週20時間未満務すると、社会保険加入しないことになります。
こういったケースについても労働時間を合算で加入対象の判断をするということが検討されています。

4️⃣フリーランスの方
多様な働き方の一環としてフリーランスを選択する方が増え、2020年の内閣府調査では推計で462万人とされています。
一方で労働者を偽装フリーランスとするトラブルや、またフリーランスのライフリスクについてのニーズが高まっています。
労働者性の高いフリーランスについて、労働基準監督署と連携して適切な雇用を促したり、フリーランスの健康保険組合など検討されています。

社会保険とは別にフリーランスの方が労災保険に特別加入できる制度も11月から始まります。)や


②の個人経営の職場で社会保険加入については、サービス業や農業関係の団体から慎重にという意見も多く見られます。
事務処理負担とは切り離してという意見がありますが、切り離せるでしょうか。
小規模な事業所は、経営者が自ら汗を流し、自ら売り上げをつくっています。
社会保険の事務負担は、
・採用したとき
・退職したとき
・給与が変わった時
・賞与を支払ったとき
・1年に1度の算定基礎届手続き
・産休に入ったとき
・病気で休職したとき
・育児短時間勤務をしたとき
ざっとあげるだけでもこれだけあります。

加入者ごとの状況や給与により変わるので、この負担を事業主自身が行うのは大変です。

勤務先が法人か個人経営かで加入できる社会保険で受けられるサービスに差があるべきではない、ということにはおおむね賛成ですが、事業主の方の保険料負担の補助や事務負担についても真剣に考えていただきたいものです。(事務処理の簡素化の結果、私たちの仕事が減るのはまあ置いておいて、、、)
この議論は2025年に国会提出、早ければ2026年!に一部開始する可能性があります。「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」で検討事項の詳細が確認できますので、注視していきたいと思います。

ふぅぅぅぅーーー
とにかくすべての人を厚生年金に加入させるという動きが加速しています。

ちょっと甘いものでも食べて一息つきましょう。
今回は、私の住む町の近所の小さなパティスリー🍰
Patisserie Hiroya Minamisawa パティスリーヒロヤミナミサワ
です。

もともとチョコレートと焼き菓子が美味しいお店として有名ですが、最近は季節ごとにかわるエクレアが絶品ではまっています。
ちょっとお値段がするのですが、家族の分も一緒に買っておいたところ、私の分も丸っと冷蔵庫から消えていて年甲斐もなく家族を問い詰めてしまいました。。
あ、この素敵なお店も、アルバイトの人を雇ったら社会保険が😰


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